ちょっとしたこと

推しが生きてるだけでスタオベ

髑髏城の七人season月 下弦の月 感想&メモ

個人的な感想&観劇メモです。考察好きのオタクの妄想を多分に含みます。

あとめちゃくちゃ長い。書きすぎた。(8000字)

 

1.27追記

良質な下弦月髑髏を摂取したので気持ちの高ぶりのまま追記しました

最近上弦も観たのでその比較も近々書きたい

2.20追記

さらに追記。もう明日が大千秋楽なんて悲しすぎる終わるのが本当に惜しい。

とりあえず今までに回収できた歌詞も最後に置いておきます。

 

!!! ネタバレありなので自衛してください !!!

 

というわけで2017年の推し納めは髑髏城でした…!

とりあえず下弦の月前半戦を終えての感想と来年への考察課題をめもめも。

ちなみに私の髑髏城スペックは

・花鳥風観劇済み

・それ以前の髑髏城はアカドクロのみ視聴済み

下弦の月は4回観劇済み

上弦の月は来年観劇予定

です…!

下弦しかまだ観劇していないので感想は「下弦の月は~」という風に限定的に書いてます。

上弦の月を見て共有する部分があったら「月髑髏は~」に直すかも。

 

全体

若さと少年漫画感

超ワカドクロとは聞いていたけどこれほどまでに若さを前面に押し出してくるとは思わなかったぜ…

というのが正直な感想です。

全体的に少年漫画感が強いこれどこの週間少年ジャンプ?

はじめの髑髏党が村人たちを襲うシーンで最後の最後までボコボコにされてたいん平が物語の終盤では鎌と鍬持って髑髏党に立ち向かうあたり完全に友情・努力・勝利じゃないですか…

 あとキャラクターのリアクションに幼さというか若さというか(引いては人間味)が出てて新鮮でした。

捨之介だったら、二郎衛門と邂逅したときに露骨にちょっ、おま…!って顔したり。100人斬れる刀は作れないと言われて、くそっ!って露骨に悔しがったり。

天魔王だったら、機嫌が露骨に動作に表れたり(扇の扇ぎ方や歩き方など)、捨之介や二郎衛門を露骨に馬鹿にしてみたり。(顔芸は推しの十八番なので言わずもがな)

蘭兵衛だったら、荒武者隊やいん平の登場に純粋に驚いたり無邪気に笑ったり、長い付き合いの太夫相手に下手な作り笑いを見せたり。

前作までのキャラクターはわりとどっしり構えてるというか、人生何回目?ってぐらい落ち着いてたのに、下弦はまだ達観しきれていないというか、捨之介は捨之介になりきれていない、天魔王は天魔王になりきれていない、蘭兵衛は蘭兵衛になりきれていないような、人としての未成熟さが出てて面白かったです。

前作までの女の子の沙霧から変わっての霧丸も、少年漫画感があってよかった。

鎧から出てきた捨之介を抱きしめるのではなくぶん殴るあたりが最高に良かったです。若い!熱い!

そして物語の要でもある捨之介のスタンスがもう少年漫画の主人公だった。

今までは天魔王を倒す!ってスタンスの捨之介だったにも関わらず下弦では一転、天魔王を倒すのではなく、止めるのだ、と……若い…若いよ捨之介…まぶしいよ…

斬鎧剣もベタだけどかっこいい。モードチェンジする系の武器は少年漫画の十八番ですね。

終盤の髑髏城脱出のシーンの血気盛んな感じも良かったです。

罷り通る!という感じではなくて無理を通して道理を蹴っ飛ばす!!って感じがとても良い。

物語全体で、若さ・未成熟さにポイントを置いてる(っぽい)ので、キャラクターの反応や場面展開もわかりやすくて観やすく感じました。

過去の強調

今回の髑髏城は捨蘭天が信長公に仕えていた時代の関係がすごく強調されていたのが印象的でした。

蘭兵衛が蘭丸だと明かされるのも早い気がする。あれっそれそんなあっさり言っちゃうの天魔王様!

捨之介のセリフの端々にも昔を想起してると思わせるものが多かったです。

霧丸に言う「おめーみたいな若いモンが恨みを募らせると昔に縛られちまう!」ってセリフは自分自身にも言い聞かせているようにも見えます。

「天の殿様が死んで俺達は自由になったんだ!」というセリフとの対比も良い。

下弦の月では過去について多く語られている分、蘭兵衛と天魔王の関係も今までの髑髏城よりも濃密になっている気がします。

同じ小姓として信長に仕えていたけれど、受ける愛の重さには違いがあった蘭兵衛と天魔王。

天魔王のセリフには蘭兵衛が寵愛を受けていたことを示すものが多かったです。

そしてその言い方がただただ事実を述べるのではなく、今でも嫉妬しているように、一段と声を荒げていたのが印象的でした。

今も蘭兵衛に嫉妬している天魔王だからこそ、蘭兵衛を配下に置くことには大きな意味があったんだと思います。

蘭兵衛を配下に置くことで優越感を得たかったのかもしれません。

そして蘭兵衛も天魔王に殿の夢を託しつつも、そんな天魔王に殿を見ているように見えます。

目の前の男は天魔王であり、殿ではないと分かっていながら、天魔王自身のカリスマ性に惹かれて、殿に従っていたときのように天魔王に付き従う。

蘭兵衛と天魔王はお互いで過去の殿と小姓を再現することでお互いを満たしあっていたのかもしれません。ここの相互依存がめちゃくちゃしんどい…

「勘違いするな」とは言いつつも「殿を捨てて拾った安くない命」と自ら言っていた命を天魔王を守るために使うのを見せられると非常に胃が痛い。

極めつけは蘭兵衛のカテコ。

今までの髑髏城のカテコでは、蘭兵衛が一人白い彼岸花畑の中にたたずんで黄泉の笛を吹いてるカテコだったのに、今回の蘭兵衛は天魔王と登場します。

なんだかこれが二人の関係性を描いているようで色々考えてしまいます。

白い彼岸花花言葉「想うは貴方一人」

今までのカテコとは違って白い彼岸花畑に立っていない蘭兵衛にとって、想うのは貴方(信長公)一人ではないのでは…?本当の天だけでなく、天魔王の天も愛していたのでは…?

天魔王からは一段下がったところに佇んでいるあたりに二人の力関係を感じてしまいます。

小姓時代の二人が揃って信長公を慕っていたことが物語の中で明確に語られている分、とても切ないし、相互依存が強調されているようで見てて苦しくなります。

あと蘭兵衛の衣装。これは2つ解釈(妄想)ができると思います。

蘭丸の衣装としてではなく、蘭兵衛の衣装として立っているので「蘭丸」として最期を迎えたけれども、完全に蘭兵衛でなくなったわけではない、蘭兵衛/蘭丸の微妙な心の均衡を表現してるように見えます。

たぶんこれは蘭兵衛役のちゃんともの解釈に近いと思います。

一方で真っ白な衣装は死に装束にも見えます。蘭兵衛の衣装であることを考えると蘭兵衛が死んだことへの死に装束にも見えるし、蘭丸として最期を迎えたことを考えると蘭丸が死んだことへの死に装束にも見えます。

黄泉の笛も吹いてることを考えると死のイメージが強いのかもしれません。

どちらにせよもう天魔王と寄り添って立っているだけで妄想のドツボにはまります…

髑髏城に乗り込む際の衣装と笛をカテコで纏うことは単なる花鳥風からの踏襲かもしれませんが、こうやって解釈したほうがオタクとしては美味しい。

(あと死人花畑のカテコが最高すぎたので、死人花畑でなくなったことに意味をもたせないと割り切れない…)

織田信長という男

今回の髑髏城の信長公が一番魅力的に見えました。

天魔王が天魔王になる前のシーンが描かれていたり、殿に仕えていた時代について捨之介が丁寧に説明していたのは大きい。

だからこそ捨之介が最後の場面で言う「俺も天の殿様に食われちまうとこだった」がより沁みます。

天魔王は天の意志を継ぎつつも、信長の写し・代弁者としてではなく、自らが天として頂点に立ちたがっていましたが、結局最後は「天の殿様に食われちまった」。

殿の寵愛を一心に受けていた蘭兵衛も、そんな天魔王にまるで本当の殿へするように寄り添っていたけど、結局最後は「天の殿様に食われちまった」。

死して尚、人の生を縛る信長公は恐ろしいほどに魅力的です。

舞台にその姿は登場していないにも関わらず、これだけ魅力的な信長像を見せてくれるキャストの皆様にスタオベです…

偽物だって誰かの命を守れる

下弦の月に映えるセリフですね。

天魔王を止める(私はこれを「救う」とも読み替えてます)ことを目指した下弦捨之介にとても似合う言葉だと思います。

この「偽物」という言葉は妄想の宝庫だと思います…

・天魔王率いる髑髏党に殺された霧丸のおじいは霧丸の影武者(偽物)だったけど、霧丸の命を守った

・天魔王は天の「偽物」だったけど、どこかで引き返していたら蘭兵衛の命を守れたかもしれない

下弦の月では明言されていないけど、昔信長の影武者(偽物)をやってた捨之介が天魔王に刃を突き立てられない(天魔王を守りたい)

これはもっと深読みできそうな言葉な気がするので、今度観劇するときはこの言葉を念頭において観劇してみるのも楽しそうです。

蛇足

髑髏城の殴りこみシーンが夜、家康(二郎衛門)との対峙が朝というのは毎回共通の流れですが、下弦の月ではそれが一層効果的に見えました。

髑髏城へ殴りこむ際には天にあった月が、髑髏城からの帰還後、大地に還っていきます。

これが捨之介の地の男としての包容力と重なって最後の朝焼けのシーンを見てるだけで泣けてきました…(自分の妄想で泣くオタク)

あと夜のシーンでは当たり前のように月が登場してたけど、”下弦の月モチーフ”が思ったよりも少なく感じました。

上弦と分けるためにもっと露骨に下弦の月モチーフを入れてくるのかと思ってた。

気づいたのは髑髏党の兵士の甲冑が、客席側から見て、下弦の月は左半分が金色に塗られている(下弦の月モチーフ)、上弦の月は右半分が金色に塗られている(上弦の月モチーフ)、ということ。これは上弦ゲネの写真で答え合わせ済み。

上弦と下弦では衣装やメイクも違うので、上弦観劇時には着物の柄も注意深く見てみたいです。

1.27追記

天魔王の最初の鎧ダンサーズのシーンで、鎧ダンサーズの鎧の文字が一人一人違うんですが、あれが何を意味してるのかわからなくて頭抱えてます……

梵字かな?と思って調べたりしてるのですがそれらしいものは見つからず…

6人いるから六天を表してるとは思うんですがあれが何の文字なのやら…特定できた方いましたら教えてください…!

2.20追記

結局梵字の宿題は回収できてません…

代わりに回収したのは天魔王の最期のシーンの舞台セットモチーフ(天魔王が最後にぶち破るアレです)。

あの大きな髑髏がかぶってる兜って 本能寺の焼け跡から見つかった伝信長公の兜でした……

殿の最期を看取った天魔王は殿に最期を看取られたと思うと切なすぎます…

あと違ったら恥ずかしいんですが、最後に金500枚持ってくる兵士って推し…?

横顔と背格好(撫で肩)から推しかな〜と思ったんですが真実や如何に… 

 

キャスト別

捨之介

宮野さんの捨之介が想像よりもかなり良かったです…!

がたいの良さと声の良さは分かってたので映えるだろうな~とは思ってましたが、ここまで魅力的で説得力のある捨之介になるとは思わなかったです。

みんなの頼れる兄貴って感じではないけれど、泣いてる人に傘を差し出す気前の良い兄ちゃん感はめちゃくちゃ出てた。

綺麗な女の子にでれでれしちゃう捨之介がよく似合う。

捨之介は少年漫画感溢れる捨之介だったのですが、霧丸を諭すセリフは自身にも言い聞かせるように言ってたのがとても印象的です。

昔に縛られそうになってる霧丸を救うこと、導くことは天魔王(・蘭兵衛)にもしてあげたかったことなのかもしれません。地の男の包容力。

特に最初の霧丸の「弱いやつが死ぬのは自業自得だろ!」というセリフは天魔王のそれとも重なって見えます。

最後の最後で天魔王に刃を突き立てられなかったことを考えても、やっぱり捨之介は天魔王を止める、引いては救いたかったのではないかな、と強く感じました。

公演初期と1ヵ月後では、べらんめえ口調が強くなってたのも個人的には良かったです!

あと最後の「柄じゃねえよっ!」を声高らかに言ってたのがめちゃくちゃ良かったです。超ワカドクロの捨之介だったら絶対こう言う…!大正解…!

無界屋蘭兵衛

はじめにキャストが発表されたときに推しが蘭兵衛やるのかと思ってたらちゃんともが蘭兵衛でびっくり。

ちなみにイベントのときに推し本人にこのこと言ったら自身もやるなら蘭兵衛だと思ってたって言ってたしやっぱりそうだよね……

でもちゃんともの蘭兵衛も想像を超える良さでした…!

ちゃんともの蘭兵衛は独特の柔らかさがあるように感じました。

蘭兵衛といえば常に物悲しさを纏っていてあまり表情の変化がない印象だったのですが、ちゃんともの蘭兵衛はよく表情が変わる。そしてよく笑う。

印象的だったのが無界屋にいん平がやってきたシーン。

女の子たちに突進していくいん平を見てスッと両手を広げて女の子たちを庇う蘭兵衛。

今までの蘭兵衛ならひと睨み利かせるだけだったのにこんなに全身を使って守ることを表現している蘭兵衛は新鮮でした。

そしていん平と兵庫の掛け合い中に太夫とおしゃべりする蘭兵衛…そしてときどき笑みを零す蘭兵衛…普段の二人を垣間見れた気がして見ててほっこりしました。

「蘭兵衛さん、怖い目をしてるよ」と太夫に言われて、歯を見せる明らかな作り笑いで「そんなことはない」と返す蘭兵衛の優しさと幼さ。

そんな反応、長い付き合いの太夫にはバレるに決まってるじゃん…!!

でもこの優しさこそが太夫の言う「蘭兵衛さん、貴方は自分が思っているよりもずっと他人(ひと)のことを想ってるよ」なんだろうな

あとこの1ヶ月間で一番成長しまくりなのがちゃんともだと思います。

公開初期と1ヵ月後だと殺陣の早さとキレが段違いでした。

ギリギリまで攻めるようになってるし斬ってるときの刀身のブレも少なくなってて感動しました…

そしてちゃんとも蘭兵衛独特の柔らかさが増してて、役を自分の中で吸収してるのが伝わってきました。私がちゃんとものオタクだったら泣いてた。

1.27追記

最近の蘭兵衛は覚醒後の表情がとても豊か。表情の切り替え方が見てて面白いです。

特に無界屋襲撃で太夫の語りかけに背を向けている→太夫に斬りかかろうとするシーンは100回見たいくらいお気に入りのシーンになりました

斬った女の子達の血が滴る自分の刀を恍惚とした表情で見つめて、垂れた血を舐める、からの太夫に斬りかかるときの好戦的な表情がとてもいい

(ちなみにここのシーンの舞台の端で自分のマントで刀拭いてる推し天魔も超かわいくて好きです)

2.20

天魔王邂逅シーンで狸穴二郎衛門を見かけた蘭兵衛が捨之介のことをバシバシ叩くのが可愛い。

「ねえねえねえねえねえ!」

って感じで捨之介のことバシバシ叩く蘭兵衛が小さい子みたいだ…

こういう仕草もちゃんともの解釈のひとつなのかな。

天魔王

推し~~~!!!最高だよ推し~~~!!!!

推しの天魔王が最高なのはわかりきってたのですが、それでも想像の100倍最高だった……

天魔王が天魔王になる前のシーンで一人称が「俺」→「私」に変わる

銃撃を受けてマントに隠れる

普段はゆったり扇であおぐのに、蘭兵衛を待っているときは扇ぎ方がせわしない

序盤で二郎衛門が登場するとあからさまに機嫌が悪くなって、それまでゆったり歩いてたのに急にどすどす歩く…

上げればキリがないですが、下弦の天魔王は人間味というか小物感があって最高でした…理想的な天魔王。

これまでの天魔王たちはみんな「悪の親玉感」があったのに、下弦天魔王はそれに加えて人間味があるので「蘭兵衛に嫉妬して堕とす」「天の殿様に食われる」ことに説得力が増しています。

ただこの人間味を見てしまうと天魔王に愛しさが増すので、物語が進むにつれて常にオタクの心は瀕死状態です。

蘭兵衛が堕ちるシーンの掛け合いも良かった…!

腕を大きく広げたりどっしり腰掛けたり、セリフとともに身体を大きく見せたり、セリフの強弱・緩急のつけ方も心にするっと入ってくるようで天魔王の人身掌握術はこのことかと!

ちゃんとももパンフレット書いていたけど、蘭兵衛はとても純粋に殿を慕っているからこそ、天魔王の影に殿を見るとコロッと天魔王に取り込まれてしまう。

それをわかっていて「殿は」としきりに語りかける天魔王が恐ろしいです。

酒を飲む前にすでに蘭兵衛のほうから両手を伸ばして口をはくはくさせて酒を求めてるあたりも天魔王の人身掌握の強さを表しているようでとても効果的で良かったです。

斬鎧剣で鎧をはがされて現れるのが華奢な身体…というのも効果的で良かった。

推しの華奢さが天魔王の小物感・人間味を表す良い武器になってる。(でも心配だからごはんちゃんと食べて)

あと推しの顔芸はいつものことですが、何やら髑髏城フリークの間では推しの顔芸の評判が良いと聞いてにっこりします。

この1ヶ月間で顔芸はもちろん殺陣も鋭さと重みを増してパワーアップしてました。

舞うように斬ってる中にも確実に急所を狙うキレの良さがあって最高に良いです。推し最高。

蘭兵衛と向き合うシーンでやたらとお酒を飲んでたけどあれにはどんな意味があるのか少し気になります。

実は動揺しててそれを隠すためにやたらとお酒(夢見酒?)を飲んでるのか、それとも天魔王自身酔ってトランス状態になろうとしてるのか…次回の観劇の要チェックポイントです。

1.27追記

最近の天魔王様はよく笑う。

蘭兵衛を口説くシーンで自分の代わりに誰が天下を取るかきくとき、

「フフッ、おまえか…?」

わ!ら!っ!た!口の端だけで笑う演技が多かった天魔王様がマイクに声を乗せて笑った…!!

二郎衛門と服部の掛け合い(忍びが名を明かすのは死ぬとき〜のくだり)でも

「ハハハッ!大名というのは不便なものですなあ!」

って大口開けて笑っててびっくりしました…

秀吉が軍を構える位置を地図で示すときの言い方も相手をおちょくってる感じが増してました。

「いいかぁ?ここが髑髏城、ここが安土城。猿が陣を構えるならば…?ハァ〜イここ、石垣山だ!」

目を見開いて口角下げて「いいかぁ?」って言う天魔王様まじで憎たらしい……(好き)

あと無界屋襲撃が失敗したときの

「これでは我々が不ゥ利ィだァ!」

の言い方も憎たらしくなってました……(好き)

笑い声をあげるようになって、セリフに人を馬鹿にするような言い回しを加えることによって、余裕のある天魔王になってました。

でもそれと同時に小物悪役感・未熟さも増してました。天魔王様いつから一級フラグ建築士になったの……

狂人としての天魔王にベクトルを向けずに、人としての天魔王にベクトルを向けて感情を引き出す推しの解釈大好きだ。

2.20追記

上弦の天魔王様は最強駄々っ子女児って感じで推し天魔とはまた違って見てて楽しい。

上弦天魔は優しいパパとママに甘やかされて育ってワガママになった感じ。

下弦天魔は幼少期にお兄ちゃんでしょ!譲りなさい!って言われまくった反動で今愛情求めて暴走してる感じ。

上弦天魔がわりと振り切ったサイコパスチックなキャラクターなので、推し天魔のちょっと融通が利かなさそうな頭固い天魔と合わせてバランスが取れてる感じがします。

上弦下弦はライバルだけどお互い支え合ってる関係なんだろうな〜と思わせてくれる天魔二人です。

あとめっちゃどうでもいいけど上弦天魔のイメージソングは戸川純で、下弦天魔のイメージソングは鬼束ちひろです。推しis Gods child。

霧丸

霧丸は沙霧の男の子版、としかイメージしていなかったのですが、全然別人でした…

序盤の荒武者隊に対して「弱いやつが死ぬのは自業自得だろ!」と言って血気盛んで周りの犠牲は気にせず天魔王絶対殺すマンの霧丸は、沙霧よりも復讐の念がめちゃくちゃ強い印象。

でも捨之介と付き合っていくうちに「弱い」と言ってた兵庫たちと髑髏城に乗り込むのですが、乗り込む前に霧丸が言った「髑髏城のすべては、ここにある」のセリフの言い方が厳かでぞくぞくしました。(沙霧は高らかに言うことが多かった印象です)

闇雲に天魔王を殺すことではなく、捨之介を助けることを優先して考えてるからこそ一歩引いて落ち着いた言い方になったのかな…と。復讐に対しての霧丸の向き合い方に成長を感じました。

(そのあとすぐ天魔の鎧を着た捨之介を天魔王と勘違いしてすぐ頭に血が上るのは、まだ若い、ということで…笑)

霧丸も1ヶ月の間にかなりセリフの言い方が変わってて見てて楽しかったです。

特に最後の二郎衛門と向き合うシーンでは、公演初期と比べて1ヵ月後のほうが飄々と報酬を要求してるのが印象的でした。霧丸の吹っ切れた感じが出てていい!

 兵庫

最高にかっこよくて可愛い兵庫でした…!

シリアスな場面をさらっと自然に変えるスマートさが超かっこいい。

木村さんのお芝居はセリフ回しが絶妙で見ていて気持ちよかったです。(あれ?そういう言い方する?っていう齟齬が全然なかった!)

声の抑揚・話しの緩急のつけ方がすごく好き。間の取り方も心地良い。

他の作品も見たくなりました。

太夫にしきりに年の差を言われてたけど、男気ある兄貴分としての印象が強いせいかあまり年の差は感じませんでした(羽野太夫が若々しいのもある)。お似合いだよ二人とも!

2.20追記

気になってた兵庫の衣装の模様回収しました〜

兵庫の衣装の模様はやっぱり「兵六」と書かれてました。

あれ村で着てた一張羅なのかな…兵庫いん平親子はギャグ要素強めなのに泣かせてくるのずるい

 

極楽太夫

髑髏城フリークいわく伝説の極楽太夫の羽野さん!

声の高さとご本人のキャラクターも合ってか、兵庫との年齢差を感じさせない極楽太夫

観劇前は聖母的なポジションの太夫なのかな~と思ってましたが、実際に観劇してみるとお姉さんと妹の要素を併せ持った不思議な魅力のある太夫でした。

公演初期では声を張り上げてることが多かった(特に霧丸を無界屋に連れて行くシーン)けど、1ヶ月後には声を張り上げなくなっていたのが個人的にはうれしい変化。演技に遊びをもたせている感じがしました。

無理に若く、元気を見せるのではなく、お姉さんとしての落ち着きも併せもってる感じがしてとても良かった…!

あと今までの髑髏城ではあまり気にとめていなかったけど、髑髏城から逃げ出すシーンで、太夫がもってる刀は蘭兵衛が持ってた刀だったらいいな~というオタクの妄想。

今まで太夫が生き延びてこれた理由の象徴でもあるガトリングを蘭兵衛の元に置いてきて、代わりに蘭兵衛の刀を掴んできたのだとしたら切ない。

最後の別れのシーンまで太夫が刀を持ってるか確認し損ねてしまったので、これは次回チェックしたいです。

1.27追記

↑この宿題、結論から言うと太夫は別れのシーンでは帯刀してませんでした。持っていたのはおきりたちの髪のみ。

少し悲しい気もするけど、前に進もうとしてる太夫の気持ちの表れかな。

髑髏城脱出のシーンで太夫が持ってる刀は蘭兵衛の刀で間違いないです。

捨之介たちがもってる刀は日本刀で柄巻があるタイプ。天魔王や生駒たち髑髏党がもってる刀は洋刀で柄巻がないタイプ。

蘭兵衛の刀は日本刀で柄巻がないタイプです。

髑髏城脱出のシーンで太夫が持っていたのは、日本刀で柄巻がないタイプの刀。

倒した敵の刀奪って戦うって選択肢もあるのに蘭兵衛の刀を掴んだ太夫が切なすぎました…

 贋鉄斎

風髑髏の贋鉄斎がいろいろ天元突破してた(SM・男の子好き・兼そば打ち職人など…)ので、下弦はどんな贋鉄斎が…!??とドキドキしてましたが、華道を極めてるとは予想外でした…そして安定の変態性

風髑髏の100人斬りでは蕎麦屋台で刀を研ぐというわけのわからなさを見せてくれていましたが今回はまじめな100人斬り。

ギャグとシリアスのバランスがちょうどいい贋鉄斎でした。

あと個人的には兵庫に言った「何が抜かずの兵庫だ!風俗かっ」がツボで毎回笑ってしまう。

狸穴二郎衛門

下弦の二郎衛門は狸ジジイという言葉がよく似合う…

セリフの言い回しが淡々としてるというか、話し方にあまり気分のムラが出ない(おきりとの別れの場面以外では)ので、腹の底が読めない。

捨之介たちは機嫌が露骨に表れる分、対比でそう見えるのかもしれないです。

でも服部半蔵との掛け合いは可愛くて好きです。服部も苦労人ぽさがでてて好きです。

1.27追記

最近の二郎衛門はおきりに頭を下げるシーンに熱が入ってる。

以前は潔く頭を下げるのが印象的なシーンでしたが、最近では咽び泣く演技が入ってます。

この後はずっと「家康公」としての二郎衛門で、表情を崩さないからこそより印象的でした。個人的に好きな演技です。

渡京

ずるすぎる役、渡京。こんなの好きになるに決まってるじゃないか!

兵庫もそうだけど、渡京は登場するだけで場の雰囲気を(色んな意味で)変えてしまう美味しい役どころだと思います。

こんなに自分の名前を連呼する役もそうそうないよね!

表情はころころ変わるのにセリフは一定のリズムで話されるからなんとなく浮世離れしてるというか、つかみどころがないのもとても魅力的でした。

「生まれたときに親の期待を裏切ってから裏切り続けて四十四年…!」のセリフは何回でも聞きたいぐらい好き。

いん平

髑髏党にボコボコにされていたのにその髑髏党の城に殴りこみに行き、最後には息子と一緒に強きを挫き弱きを助ける関東一の歌舞伎者になるという…

この人が実は一番少年漫画感あるかもしれない。

兵庫との共闘シーンも楽しい!耕すことの大切さを説くいん平超かっこいい。

そして最後のシーンではじめて息子のことを「兵庫」と呼ぶのがかっこよすぎます。

今まで「おめーは兵六!おらの息子だに!」って言って頑なに兵六呼びをしてたのに最後の最後には息子の荒武者隊に入って、声高々に「兵庫」と呼ぶいん平…

「兵六」であることを否定した「兵庫」をも息子として受け入れたいん平の懐の広さがかっこよすぎます。

1.27追記

最後の別れのシーンでいん平が亡くなった子分たちの着物を1枚ずつ身につけてることに気づいた回から、いん平見るだけで泣けるようになりました……

いん平優しくてかっこよくて最高だ。

 

とりあえず前半戦の感想としてはこんな感じです。

書いてて思ったけど、やっぱりこの花鳥風月髑髏城は他の髑髏城シリーズを比較することを前提に作られている気がします。

比較して物語の深みを増していく。

花鳥風と観て来た者としてはもっともっと月解釈を深堀していきたいです。

おにぎりの演出とかも花鳥風月で違うのでそこも探りたいけどさすがにそれは深堀しすぎかな…

月髑髏はトリでこの先比較対象の公演がないので、月髑髏から入った人たちも「比較」ができるようにダブルキャスト体制にしたのでは…?とも感じます。(もちろん過去作の踏襲と話題性も重要ポイントですが。)

益々上弦の観劇が楽しみになりました…!

下弦もこの1ヶ月で本当に同じ舞台!!??と思ってしまうほどパワーアップしてたし、ちょこちょこセリフの言い回しや演出(剣布様のゲームシーンとか)も変わっていたのでこれは回数増やさなければならないぞ…

 髑髏城はシャブかな…

 思ってたよりも長々書いてしまいました。ここまでお付き合いくださった方ありがとうございました!

後半戦も楽しみましょう~~!!

 

1.27追記

1月27日のソワレ回で通算8回目の下弦髑髏だったのですが、この回が今までで一番面白かった&楽しかった回でした。

この回のお客さんは今まで私が入ったどの回のお客さんよりもノリが良くて、よく笑い、よくリアクションを取るお客さんが多かったです。

そのノリの良さが役者さんの演技にも影響を与えているようで、普段よりもより活き活きと、他のキャラとの掛け合いを楽しみながら、お客さんの反応をもとに対応を変えることを楽しみながら演じているように感じました。(もちろん役に慣れてきたというのも大きいとは思いますが)

なんというかアドリブに限らず、サービス精神旺盛な演技でした。

 舞台は役者と客席で作り上げるものなんだな、ということを改めて実感できた良い公演でした。

 

2.20追記

とりあえず個人的な千秋楽を迎えたので今までちまちま聴き取ってた歌詞を載せておきます。

こんな風に聴こえたよ〜っていうのあれば教えてください…!

10回以上通って聴いてるので8割方は合ってると思いますがちょいちょい自信ないです…

 

【天魔王誕生シーン】

六欲天 知っているかい 天の六欲天
四王天
ニ 忉利天
夜摩天
六欲天 天にあるのに欲に溢れる
兜率天
五 化落天
他化自在天
他人の欲望を自在に叶える 魔王が住まう
今ここに生まれでた
この髑髏は天が見た魔王
我が命に宿らせん 意志の印(しるし)
この髑髏が乱世再び喚び醒まさん
炎の中 天魔王が生まれた
この髑髏が乱世再び喚び醒まさん
炎の中 天魔王が生まれた

 

【無界の里シーン】

無界良いとこ一度はおいで
忘れちゃう うつせ(現世?鬱世?)など
ここで売るのは春じゃない
それはそれは夢なの
今日が駄目でも明日があるから
夢見ようこの里で
生まれの違い界(さかい)無し
だから器量を見せて!
あゝ逢えない気持ち生き地獄でも
逢えば天にも昇れるの極楽
ここは極楽!

 

【黄泉の笛シーン】

月影が満ちた有明 これほどに短く儚く
うつせ(現世?鬱世?)の轍(わだち)に咲かさるる 蘭の花の純情
怖い目を君はしていた
初めて出会った頃のような
この世一人の誠だから 君の生きたいように
本音を言うならば 今のままいたい
その因果は私で消したい

とうの昔に覚悟はしてたけど
君死にたもうことなかれ
生きよと君を泣く
君死にたもうことなかれ
いけない 君よ死にたもうこと
君死にたもうことなかれ
生きよと君を泣く
君死にたもうことなかれ
いけない 君よ死にたもうこと

 

【髑髏城攻めシーンとカテコ】

運命の悪戯達 過去からのしがらみ達
天の暗闇 人の空蝉(現世身?) 血潮の叫 飲み込み
綺麗事じゃいられない 傷舐め合う世界
この刃の切っ先が 昨日に向くのでは 意味ないから
この刃よ 明日(あす)に向かえ 切り裂け 行き抜く明日(あした)

名残の月もない 天のみある世界
この刃は誰がためか 縁を絶ち 夢を断ち切るなら
この刃よ明日に向かえ 切り裂け 行き抜く明日